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第1回カーボン・オフセット大賞エントリー事例
地産食材を使用したカーボン・オフセット製品によるCO2削減

応募団体:山崎製パン株式会社 岡山工場

1.応募する活動の名称・タイトル
地産食材を使用したカーボン・オフセット製品によるCO2削減


2.活動の概要
<オフセットの分類>
商品使用・サービス利用オフセット

<排出量の事前認識・・算定>
(1)岡山工場全体の稼動に伴う年間CO2排出量(2010年1月~12月)
各エネルギーの使用量とCO2排出係数により推定
①生産部門 22,334t(電気、重油、LNG)
②物流部門  6,120t(軽油、ガソリン)

(2)今回のカーボン・オフセットの取り組みに関するCO2排出量
 (独)国立環境研究所の公表している「産業連関表による環境負荷原単位データブック(3EID)」を基に作成された味の素㈱版「食品関連材料CO2排出係数データベース」により、食パン1個の製造にかかるCO2排出量を約270g、菓子パン1個の製造にかかるCO2排出量を約125gと仮定し、期間中の対象製品約218万7千個の製造にかかるCO2排出量を約275tと推定した。

<オフセット対象範囲・・バウンダリ>
算定範囲のうち、対象製品の製造にかかるCO2排出量の一部に関してオフセット対象とした。

<排出削減努力の実施>
(1)生産部門
LNGサテライトタンクを利用した天然ガスへの燃料転換、これに伴う高効率ヒートポンプチラーへの更新(合わせて年間約2,353t削減)、省エネ型高効率機器の導入、省エネパトロールの実施など

(2)物流部門
ハイブリッド車などの低公害車の導入、エコドライブコンクールの実施、運行管理システムによるエコドライブの推進など

<取組の実施期間>
2010年10月から2011年8月まで

<クレジットの種類>
J-VER

<プロジェクト名称>
(1)山崎製パン株式会社岡山工場の取り組みの名称
「地産食材を使用したカーボン・オフセット製品によるCO2削減」

(2)今回使用したプロジェクトの名称
「たたらの森クレジット」
鳥取県が平成19 年度から24 年度まで県有林約110haの間伐を実施し、2,439tのCO2吸収を行う。
実施場所:鳥取県日野郡日野町地内の県有林

<無効化に関する状況>
2011年12月に無効化

<情報サイト>
山崎製パンホームページ 環境への取り組み 製品における環境配慮

3.CO2排出削減努力とカーボン・オフセットの内容
(1)当社では、工場で使用する燃料について重油・LPGから都市ガス(天然ガス)への燃料転換を推進してきたが、岡山工場については都市ガスパイプライン未整備地域に立地し、将来的にも敷設の見込みがないため、LNGサテライト方式を利用した天然ガスへの燃料転換を実施した。また、天然ガスを使用可能な高効率の機器への更新および高効率ヒートポンプ導入を行った。以前はボイラーでは重油、オーブンではブタンガスを主に使用しており、2008年の燃料転換および高効率機器への更新により、岡山工場の年間のCO2排出量の13%に相当する2,000t/年以上のCO2排出量削減につながった。また、物流部門においては、省燃費タイヤへの切り替え、ハイブリッド車などの導入、エコドライブコンクールの実施、運行管理システムによるエコドライブの推進などを実施している。

(2)世界的に地球温暖化対策が叫ばれる中で、消費者にとっても身近な製品にCO2削減の取り組みを「見える化」することにより、森林保全や地球温暖化防止の大切さを消費者と共有し、環境保全活動の底辺を拡大するため、環境省からオフセット・クレジットの認証を受け協力企業を募っていた鳥取県と当社岡山工場との間で2010年9月に「とっとりの森『カーボン・オフセット』パートナー協定」を締結し、取り組みを開始した。カーボン・オフセットについては、鳥取県の農畜産物を使用した製品を対象とし、鳥取県をはじめとする岡山県、広島県などの一部で販売し、対象製品1個販売につき1円を鳥取県が県有林の整備等を通して取得したオフセット・クレジットの購入に充て、対象製品を製造する際に発生するCO2の一部をオフセットする取り組みを実施した。2010年10月~2011年8月までの実施期間中、目標であった約158万個を超える約219万個を販売し、当初の予定100tを上回る138t分のクレジット購入しCO2をオフセットした。今後については、2012年に第2弾を実施する予定で企画を計画中。

4.CO2排出削減以外の効果
(1)対象製品は白バラ牛乳、二十世紀梨、大山どりといった鳥取県の農畜産物を食材として使用し、お客様、生産者とのつながりを深める地産地消製品の取り組みでもある。二十世紀梨については、青果物として市場に出回らない規格外農産物を使用していることから未利用食料の有効利用にもなっている。

(2)使用したJ-VERのプロジェクトは、鳥取県が県有林の間伐により森林の活性化を図ることで、二酸化炭素の吸収量を増加させるものである。間伐の実施によりCO2の吸収量増大に加え、下層植生の充実や陽樹の進出など植生への適度な撹乱が起こり、その結果として林内の生物相が豊かになると考えられる。また、森林整備により表土の流出の防止や災害防止機能の強化につながる。

5.普及啓発の効果
(1)対象製品のパッケージ裏面に製品1個につき1円が森林整備や温暖化防止に役立てられることを記載し、消費者に対して取り組みへの参加を促し、カーボン・オフセットについての啓発を行った(図1)。

図1 製品パッケージ裏面の表示


(2)弊社ホームページ内の「ヤマザキのご当地商品」当社の環境報告書である「食と環境への取り組み」において紹介した。

(3)約18万人が来場する国内最大級の環境イベントである「エコプロダクツ展」(主催:(社)産業環境管理協会、日本経済新聞社)において、「『食』を大切にする」をテーマに出展し、2010年、2011年と続けて「カーボン・オフセット+地産地消」の取り組みとしてパネル展示を行った(図2)。

図2 エコプロダクツ2011の当社ブース(左)と展示パネル(右)


(4)2011年1月の「第2回カーボン・オフセットEXPO in 大阪」(主催:環境省)にこの取り組みに関する出展および事例紹介を行った。

6.ストーリー性
 CO2排出量削減については市民一人ひとりにかかる極めて重要な問題ではあるが、日常生活において意識しにくい面がある。地球温暖化防止のためには、自らの行動、ライフスタイルがCO2排出に直結していることを市民一人ひとりが認識することがまず必要である。そこで、消費者(市民)にとって身近で日常的な製品であるパンなどをカーボン・オフセット対象製品とし、この製品を選択することが森を守ることにつながることを包材の表示などを通じて「見える化」し、消費者に広く地球温暖化防止についての関心を持っていただくきっかけを作ることを目的のひとつとした。さらに、製品については単にカーボン・オフセット製品とするのではなく、地元の消費者にとってより身近なものとなるよう、鳥取県の農畜産物を食材として使用し、またCO2排出枠については海外で実施されたクリーン開発メカニズムによる京都クレジットではなく、地元である鳥取県の県有林の適正管理によって取得されたJ-VERを利用し、その結果、消費者、生産者、行政、企業が共感をもって臨む取り組みとなった。






CO-Net事務局

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