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第1回カーボン・オフセット大賞エントリー事例
市民と子どもの力による「2010年日本APEC横浜開催における会議場と周辺ホテルでの電力・ガス・地域熱供給・水道使用のカーボン・オフセット」の実施

応募団体:横浜市、環境絵日記実行委員会(横浜市資源リサイクル事業協同組合、富士ゼロックス株式会社、日本財団CANPANプロジェクト等により構成)

1.応募する活動の名称・タイトル
市民と子どもの力による「2010年日本APEC横浜開催における会議場と周辺ホテルでの電力・ガス・地域熱供給・水道使用のカーボン・オフセット」の実施


2.活動の概要
<オフセットの分類>
会議・イベント開催オフセット

<排出量の事前認識・・算定>
算定範囲2010年日本APEC横浜開催(以下、APEC横浜開催)の期間中(2010年11月7~14日)の会議場(パシフィコ横浜)と会議場周辺のホテルでの電力・ガス・地域熱供給(蒸気・冷水)・水道の使用に伴うCO2排出量
排出量の算定結果616 t-CO2
※気候変動対策認証センター「カーボン・オフセット認証制度」により認証 (2011年3月4日に認証取得)
算定レベル「カーボン・オフセットの対象活動から生じるGHG排出量の算定方法ガイドライン(ver.1.1)」における算定方法のレベル2
(活動量はGHG 算定対象の活動に固有のデータを用い、排出係数は標準値を用いて計算)により算定
 ※デシジョンツリーにおいて求められる算定レベルは、レベル2以上(国際会議の場合)
算定式
  1. 電力 使用量(kWh)×東京電力の調整後排出係数(0.000324 t-CO2/kWh)

  2. ガス 使用量(m3)×東京ガスの排出係数(0.00229 t-CO2/m3)

  3. 地域熱供給(蒸気・冷水) 使用量(GJ)×地域熱供給の排出係数(0.057 t-CO2/GJ)

  4. 水道 使用量(m3)×水道(下水処理におけるGHG排出を含まず)の排出係数(0.00036 t-CO2/m3)+使用量(m3)×水道(下水処理)の排出係数(0.000479 t-CO2/m3)

排出係数と
その根拠
  1. 電力 環境省 報道発表資料 平成21年度の電気事業者ごとの実排出係数・調整後排出係数等の公表について(お知らせ)
  2.  
  3. ガス  東京ガス 都市ガスのCO2排出係数

  4. 地域熱供給(蒸気・冷水) 環境省 算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧(改正後)

  5. 水道 環境省 カーボン・オフセットの対象活動から生じるGHG排出量の算定方法ガイドライン (ver.1.1)
    CFP関連データ収集整備事業事務局 カーボンフットプリント制度試行事業用CO2換算量データベース(暫定版)ver.2.01(エクセル版)



<オフセット対象・・バウンダリ>
算定範囲と同じ

<排出削減努力の実施>
 APEC横浜開催の期間中の電力などの使用の節約に努めた。また、APEC横浜開催の会議場(パシフィコ横浜)では、各フロアのフォワイエ照明のLED化や、トイレ・階段・エスカレーターへの人感センサーの設置などによる省エネルギー化を進め、これらをはじめとした取組により会議センター全体のCO2排出量のうち年間で137 t-CO2を削減した。

<取組の実施期間>
(1)オフセット対象の会議・イベントの実施期間
2010年11月7~14日(APEC横浜開催の期間)

(2)カーボン・オフセットの取組期間
①「はまっ子どうし The Water」の販売本数に応じたカーボン・オフセットの取組期間
2010年7~11月 
(カーボン・オフセットへの参加の対象となる「はまっ子どうし The Water」販売期間)

②「環境絵日記」の応募作品数に応じたカーボン・オフセットの取組期間
2010年7~9月 
(カーボン・オフセットへの参加の対象となる「環境絵日記」の募集期間)

<クレジットの種類>
CER

<プロジェクト名称>
プロジェクト名称NorthWind Bangui湾プロジェクト(国連CDM理事会登録番号:0453)
プロジェクト種類風力発電
プロジェクトの
実施国・地域
フィリピン・Bangui湾
プロジェクト概要 このプロジェクトはフィリピン北部のBangui湾に設置されている33MWの風力発電を行うことで年間約5.7万トンのCO2を削減している。世界銀行炭素基金(PCF)を通じて参加するCDMプロジェクトのひとつである。PCFは、日本企業からの出資者をはじめとし、世界10カ国より23の政府、政府関係機関や民間企業が出資して、2000年1月に世界で初めて設立されたカーボンファンド(温暖化ガス削減基金)である。PCFの資金運用は世界銀行に委託され、開発途上国等において温室効果ガスの削減とともに持続的開発に役立つプロジェクトの実施のために利用されている。


<無効化に関する状況>
①「はまっ子どうし The Water」の販売本数に応じたカーボン・オフセットの取組
2011年2月22日に762 t-CO2のクレジット(CER)を無効化
(独立行政法人国際協力機構(JICA)の管理口座から日本政府の償却口座にクレジットを移転)

②「環境絵日記」の応募作品数に応じたカーボン・オフセットの取組
2011年1月27日に15 t-CO2のクレジット(CER)を無効化
(株式会社リサイクルワンの管理口座から日本政府の償却口座にクレジットを移転)

<情報サイト>
「はまっ子どうし The Water」の販売本数に応じたカーボン・オフセットの取組
「環境絵日記」の応募作品数に応じたカーボン・オフセットの取組

3.CO2排出削減努力とカーボン・オフセットの内容カーボン・オフセットにおいて大事にしたポイント
 今回の応募事業の「APEC横浜開催におけるカーボン・オフセット」において最も大事にした点は、「市民参加型」のカーボン・オフセットという点である。横浜市オフィシャル・ウォーター「はまっ子どうし The Water」の2010年7~11月の販売1本につき1kg-CO2のクレジットを売上げの一部で調達し、横浜市内の小学生等の取組による「環境絵日記」の2010年の応募作品1枚につき1kg-CO2のクレジットを調達(費用は環境絵日記実行委員会が負担)することにより、この取組に参加した市民や子どもが「APEC横浜開催におけるカーボン・オフセット」のオフセット主体となる仕組みにしたことが特徴的な点である。

 2008年の北海道洞爺湖サミットなど、これまでに国内の大規模な国際会議でカーボン・オフセットが実施された例はいくつかあったが、いずれも主催者(北海道洞爺湖サミットの場合は日本政府)の費用負担によるカーボン・オフセットであった。今回の応募事業では、21の国・地域が参加する「APEC横浜開催」に対して、開催地の横浜において市民や子どもが主体となってカーボン・オフセットを実施したという点が先進的であると考えている。国際的に広く認知された会議である「APEC横浜開催」でこの事例を成功させたことにより、今後、他の自治体や企業によるカーボン・オフセットの取組の可能性を広げられたと考えている。
 また、「環境絵日記」の取組では、2010年の「APEC横浜開催におけるカーボン・オフセット」への参加を機に、2011年も引き続きカーボン・オフセットを実施している(2011年は応募した小学生の日常生活のCO2排出量の自己活動オフセット支援としてカーボン・オフセットを実施)。

削減努力について大事にしたポイント
 CO2排出削減努力については、「APEC横浜開催におけるカーボン・オフセット」の取組のPRの際に、APEC横浜開催の会議場(パシフィコ横浜)の省エネルギー化やAPEC横浜開催の期間中の電力などの使用の節約などの削減努力についても同時にPRすることを大事にした。

4.CO2排出削減以外の効果
 市民による「はまっ子どうし The Water」購入と子どもによる「環境絵日記」応募の取組による「APEC横浜開催におけるカーボン・オフセット」の取組をPRすることで、市民が今後、自主的にエコ活動を行っていくための一つのきっかけ作りとなる普及啓発効果が得られた。また、APECに参加する開発途上国(フィリピン)におけるプロジェクトで発行されたCERを使用してカーボン・オフセットを実施することで、APECに参加する開発途上国・地域の持続的開発に対する間接的な経済的支援の効果が得られた。

 また、「はまっ子どうし The Water」は横浜の水源である道志水源林での市民ボランティアの活動支援のための「水のふるさと道志の森基金」に販売1本につき1円を充当している環境貢献商品であり、「環境絵日記」は家族と一緒に子どもが環境問題を考えていく環境プロジェクトである。これらの商品やプロジェクトにカーボン・オフセットの取組を付加することにより、商品やプロジェクトの認知度や環境配慮のイメージを向上できた。また、「環境絵日記」では、カーボン・オフセット等の取組により、2010年の応募者数が前年に比べて約1.4倍に増えた。

5.普及啓発の効果
 「はまっ子どうし The Water」の約76万2千本の販売(762 t-CO2分)と「環境絵日記」への約1万5千作品の応募(15 t-CO2分)により、延べ約77万7千人(777 t-CO2分)の市民や子どもに「APEC横浜開催におけるカーボン・オフセット」に参加してもらい、延べ約77万7千人の参加者に対してカーボン・オフセットについて情報発信できたことが最大の普及啓発効果である。市民が主役となって地球温暖化対策に取り組んでいけることや、一人ひとりの身近な取組でも市民の力を結集することにより大規模な国際会議のカーボン・オフセットを実施できることを市民に伝えることで、市民が今後、自主的にエコ活動を行っていくための一つのきっかけを作れたと考えている。特に効果的な参加者への情報発信の例として、「環境絵日記」に応募した横浜市内の小学生等全員(約1万5千人)にメッセージカードを送付して、APEC横浜開催におけるカーボン・オフセットの取組について情報発信したことが挙げられる。(メッセージカードは上の図のとおり)
 さらに、社会に対しては、ウェブサイト、ポスター、ラジオCM(FM横浜、APEC横浜開催直前の2010年10~11月に実施)、地元広報誌(タウンニュース、80万部)、記者発表などの手段で横浜市や環境絵日記実行委員会から主体的に情報発信するとともに、各種メディア(日本経済新聞、産経新聞、神奈川新聞等)に記事として取り上げてもらうことにより、社会に対して更に広く情報発信できたと考えている。

6.ストーリー性「市民参加型」のカーボン・オフセット
 横浜で開催された「APEC横浜開催」に対して、会議の主催者がカーボン・オフセットを実施するのではなく、横浜市民をはじめとした市民・子どもが「はまっ子どうし The Water」の購入や「環境絵日記」の応募を通してオフセット主体となってカーボン・オフセットを実施できるよう工夫した。これは、国際的に広く認知された会議である「APEC横浜開催」を市民に身近に感じてもらうとともに、市民が主役となって地球温暖化対策に取り組んでいけることや、一人ひとりの身近な取組でも市民の力を結集することにより大規模な国際会議のカーボン・オフセットを実施できることを市民に伝えることで、市民が今後、自主的にエコ活動を行っていくための一つのきっかけになることを期待して実施したものである。

APECに参加する開発途上国・地域におけるプロジェクトで発行されたCERの活用
 APECに参加する開発途上国・地域におけるプロジェクトで発行されたCERの調達・無効化により「APEC横浜開催におけるカーボン・オフセット」を実施することで、市民や子どもの身近な取組を原資としたカーボン・オフセットの取組によって、CO2排出削減の効果だけでなく、APECに参加する開発途上国・地域の持続的開発に対する間接的な経済的支援に繋がるように工夫した。






CO-Net事務局

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