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第1回カーボン・オフセット大賞エントリー事例
『CO2の削減と東日本大震災からの復興支援を同時化』するカーボン・オフセットの仕組みを活用した、仮設住宅の『端材利用』による福島ブランド商品(『日本酒ギフトボックス』)の【地産外商】型ビジネスモデル構築プロジェクト

応募団体:福島ミドリ安全株式会社

1.応募する活動の名称・タイトル
『CO2の削減と東日本大震災からの復興支援を同時化』するカーボン・オフセットの仕組みを活用した、仮設住宅の『端材利用』による福島ブランド商品(『日本酒ギフトボックス』)の【地産外商】型ビジネスモデル構築プロジェクト


2.活動の概要
<オフセットの分類>
自己活動オフセット支援
(※付帯して発生した木のボックスについては 2.商品使用・サービス利用オフセット)

<排出量の事前認識・・算定>
木造仮設住宅建設時に排出したCO2約75tのうち30tをオフセットした
使用量CO2排出量排出係数※
電気5,809kWh3,253kg0.56
軽油22,158ℓ57,611kg2.6
ガソリン5,986ℓ13,828kg2.31

排出係数は福島県:福島議定書平成23年度の数値

<オフセット対象・・バウンダリ>
 木造仮設住宅建設の際に利用した電気、軽油、ガソリンにより排出された74,692kgCO2(約75t)のうち、30tCO2を対象とし、オフセットした。

<排出削減努力の実施>
 『板倉工法』という木造住宅特性の最大化を図ることが可能、且つ、環境負荷の低い建設技術の導入、そして、木造仮設住宅の施工における多能な大工の登用による効率的な施工体制の構築により、従来のプレハブ仮設住宅より下記の点で排出削減効率の高い事業を構築することが可能化した。

  1. 再利用・解体・移築が可能な木造仮設住宅の特性を活用した排出削減
    従来の仮設住宅は入居期間を終えると、膨大な廃棄物を排出してきた。金属製や石油化学製品を利用しているためリユースリサイクルがしにくいためである。木造仮設住宅は解体移築が可能であるため、災害救助法で応急仮設住宅の入居期間は通常2年以内となっているが、この仮設住宅は指定された入居期間後も復興住宅として再利用することが検討されている。取り壊さずにコンクリートの基礎に置き換え、復興住宅とすることが可能である。

  2. 板倉工法採用による排出削減 〜燃料代替可能な建築資材〜
    本体が木造である他、屋根の断熱には「茅(ススキ)」床下には「籾殻」と自然素材を利用している。そのため茅と籾殻は解体後、燃料や土に還すことが可能なためゴミにならない。

  3. 板倉工法採用による排出削減 〜電動工具不使用〜
    板倉工法は、木のパネルを組み合わせる工法のため電動工具等の利用が少ないため、電気や燃料使用によるCO2の排出を低減することが可能である。

  4. 板倉工法採用による排出削減 〜断熱性〜
    板倉工法は、3重4重に木を重ねるため断熱、蓄熱効果に優れているため居住する方が快適であることはもちろん、燃料代及びCO2の削減が可能。

  5. 板倉工法採用による排出削減 〜森林資源の有効活用〜
    一般的な木造建築に比べ、板倉工法は『日本の山にあり余っている杉』を通常の3倍の木材量を必要とするため、日本の森林資源の循環と森林の保全が促される。

  6. 多能工としての大工の活用による施工体制構築による排出削減
    原則的に一人でも家を施工できる多能な大工を参集させたことで、あらゆる局面において、ボトルネックを解決するアイディアを自ら考えては、そのアイディアを標準化技術し、皆で共有化、平準化することで効率化を促進するといった施工体制構築により大幅な工期短縮が実現した。


<取組の実施期間>
【木造仮設住宅施工期間】
 いわき:平成23年5月8日~7月31日 会津城北:平成23年7月1日~8月23日

【端材を利用した木のボックス販売・展示期間 啓蒙期間】
 平成23年10月21日(金)高知県協働の森フォーラム 〜 平成24年1月27日(金)徳島県カーボン・オフセット実務者連続説明会

<クレジットの種類>
J-VER

<プロジェクト名称>
高知県津野町 龍馬の森間伐推進プロジェクト(プロジェクト登録番号:R001 0036)
喜多方市森林整備加速化プロジェクト(プロジェクト登録番号:R001 KO_0002)

<無効化に関する状況>
無効化記録済み
高知県龍馬の森間伐推進プロジェクト:平成24年1月25日(高知県無効化口座)
喜多方市森林整備加速化プロジェクト:平成24年1月26日(環境省無効化口座)

<情報サイト>
福島ミドリ安全株式会社

3.CO2排出削減努力とカーボン・オフセットの内容●削減努力の内容
 上述した排出削減努力の実施欄にも提示したが、①板倉工法という環境負荷が低く、地球環境にも優しい建築技法の導入②多能な大工の組織化による効率的な施工体制の確立したことが、当事業における排出削減の主なファクターではあるが、それ以上に被災者の寂しさや悲しみを包み込むような快適な居住性を考慮し、被災者が自立後も同施設を、『杭を木杭からコンクリート基礎に置き換えること』で、定住型の復興住宅としてリユースできるといったCO2削減効果と自立支援効果の同時化を実現させた、設計者や建築業者、そして作業員の志の高い環境理念の創造▶技術化▶環境価値の開発と行動の実践にこそ、排出削減努力の源泉がある。 

●カーボン・オフセット内容とポイント
【事業コンセプト】
 CO2削減と東日本大震災からの復興支援を同時化するカーボン・オフセットの仕組みを活用した、仮設住宅の『端材』利用による福島ブランド商品(『日本酒ギフトボックス』)の【地産外商】型ビジネスモデルの構築プロジェクト

【オフセット内容】
 東日本大震災により被災した被災者のための、木造仮設住宅建設の際に排出したCO2(電気、ガソリン、軽油)合計75tのうち20t-CO2を同被災地の喜多方市(福島県会津エリア)森林加速化プロジェクトのオフセット・クレジットでオフセットし、10tを坂本龍馬が脱藩した高知県津野町の道沿いにある『龍馬の森間伐推進プロジェクト』でオフセットした。副次的には、木造仮設住宅建設の際に発生したJ-VER付建築『端材』から、エコバックや風呂敷同様に何回もリユースが可能な『日本酒ギフトボックス』を開発し、これらの商品を購入することで、被災地支援したいと云う企業や消費者が、CO2削減と震災復興活動に参加できるという実験的なビジネスフローも構築した。

【主なポイント】

  1. 上記30tのオフセット目的としては、復興工事に係わるCO2削減やオフセット・クレジットの活用によるニッポンの森林再生(間伐、森林吸収量増大)のPRは無論のこと、当事業においては、別添資料-3にあるように、当事業の化石燃料から木質バイオマス、太陽熱等の再生エネルギーへの燃料代替により生成される『J−VER(削減)』(※『国内クレジット』『グリ−ン熱証書』『グリ−ン電力証書』)を復興債的に東京環境確保条例、埼玉県地球温暖化対策推進室条例対象企業や県外企業、生活者等に購入して頂き、被災地の復興財源に充当する地域エネルギ−の【地産外商】型環境モデルの構築を最大の事業目的とした。しかし、災害復興における平等性を担保する観点から、仮設住宅の付帯施設に格差があってはならないため再生可能エネルギー施設(※特に太陽熱、木質バイオマスを活用した冷暖房・給湯・熱電供給施設&設備)の設置が見送られることとなった。よって、東日本大震災復興の第一段階の事業成果物である仮設住宅に上記30tを無償寄附することで、当事業目的を擬似的に体感、完結させ、広く県内外にPRできたことにおいて当事業及びオフセット内容の主なポイントがある。

  2. 日本初のJ-VER(CO2削減権)付カーボン・オフセット仮設住宅を提案することで、『CO2の削減と東日本大震災の復興支援』という、一見相容れないが、今後の震災復興における重要テーマを同時化する契機となる事業開発を行った。


【今後の方針】
 まずは、被災地に、木質バイオマスの熱変換効率の高い地域熱供給施設の多拠点化を図った上で、家庭や老人介護施設、企業等のある一定の集積ができた段階で地域熱電供給施設(CHP)の多拠点化を図る。そこからカーボンニュートラルな化石燃料の代替燃料(再生可能エネルギー)によって、安価で持続性のあるオフセット・クレジット等(J-VER、国内クレジット、グリーン熱証書、グリーン電力証書)の環境付加価値を生成し、これらを被災地の特産品やビジネスサービス、イベント事業に付帯させた形のビジネス商品を開発し、被災地を支援しようとする企業、消費者が、これらの商品を購入することで、購入代金が被災者及び被災地の再生・復興に活用されるというカーボン・オフセットの基本スキームを活用した『東日本大震災の震災復興とCO2の削減を同時化』できる【地産外商】型のビジネス・スキームを構築していきたい。

4.CO2排出削減以外の効果
  1. 地域価値(歴史/文化/伝統技術)の発掘に拠る環境価値の向上これらに加え、福島県の三島町(奥会津地方)の特産品である桐の端材を多摩美術大学でデザインし、三島町の会津桐タンス株式会社によって制作されたままで地域に眠っていた【地域資源+知的財産】=『日本酒のギフトボックス』(カーボン・オフセット対象商品)を発掘、震災復興のための仮設住宅の『端材』を、明治維新時の会津地区の仇敵であった高知県の製材所関係者にサブライセンスし制作。会津・土佐(高知)の仇敵同士の東日本災害復興を目的とした『環境同盟』によるコラボ事業として、オーディエンス(生活者・企業等)の興味を惹くプロジェクトを成立させた点もポイントの一つである。

  2. 観光価値+キャラクター付オフセット・クレジットの活用による環境価値の向上被災地エリアの中でも、観光地として全国に知名度のある喜多方市のオフセット・クレジットと坂本龍馬の生誕地であり、脱藩したエリアに森林吸収源の森がある『龍馬の森(RYOMA-FOREST)』キャラクター付オフセット・クレジットを活用したオフセット事業を構築したことで、事業への親しみやすさと共感性を醸成することができた。

  3. 当事業において、化石燃料から再生可能エネルギーへの燃料代替により生成される『J−VER(削減)』(※『国内クレジット』『グリ−ン熱証書』『グリ−ン電力証書』)を復興債的に東京環境確保条例、埼玉県地球温暖化対策推進室条例対象企業や県外企業、生活者等に購入して頂き、被災地及び被災者の復興財源に充当する地域エネルギーの【地産外商】型環境モデル構築の有効性と潜在力を広くPR(普及)できた点も意義がある。


5.普及啓発の効果
  1. カーボン・オフセットスキームは、事業を具現化するための最適手法ではあるが、カーボン・オフセットの基本スキームやCO2削減効果を消費者に強くPRするという従来手法をとらず、被災地復興支援金(支援クレジット)付の『日本酒ギフトボックス』の商品購入が直接的に被災地の復興に貢献するという商品力と消費者の復興マインドを刺激するPR戦略を重視し、結果としてカーボン・オフセットスキームの内容と有効性をも理解してもらうという手法を展開した。これにより従来のカーボン・オフセットスキーム啓蒙時のボトルネックであったスキームの複雑性や難解性の説明を回避しながらも、最終的には同スキーム内容及び有効性の理解促進に寄与できた。

  2. 土佐(高知県)と喜多方市(会津エリア)と云う、明治維新の歴史観から見た敵対関係にあった両者が、震災復興へ向けた『環境同盟』を締結し、東日本大震災の復興とCO2削減を同時化するコラボ事業を具現化したことで、新聞や経済誌等のマスコミにも取材、記事掲載され広く事業の周知徹底ができた。

  3. J−VERの燃料代替機能のPRを主眼とし、オーディエンス(参加事業者及び環境イベント 参加者及び消費者)への事業パンフ配布等の告知により、弊社がPRしてきた太陽熱や木質バイオマス等を使用したカーボンニュートラルな再生可能エネルギーの導入が、CO2削減を促進し、燃料代替クレジットが森林吸収クレジットに比べ安価且つスピィーディーに生成されることを理解してもらえる契機となった。結果として、市町村や被災地企業等が再生可能エネルギーの設置を検討するケースが全県的な広がりを見せつつある。

 掲載記事一覧

6.ストーリー性

  1. 環境負荷が低く、断熱効果が高い(=CO2削減効果の高い)建築技法(板倉工法)を導入した『空調に頼らず、木材が持つ断熱性と、室内の湿度を安定させる調湿性によって被災者に対してできるだけ快適な居住空間をつくることが可能(※『板倉工法』により実現)』な被災者と地球環境にやさしい木造仮設住宅の建築から端材までを、トータル・オフセットするという概念の導入と実践により【日本初】のJ−VER付カーボン・オフセット住宅を開発した。
     また復興住宅の建築端材を有効活用したカーボン・オフセット商品『日本酒ギフトボックス』に付帯するオフセット・クレジット(J-VER)を被災地の復興に役立てる『復興債・復興援助金』的な位置づけとし、消費者の購買意欲と被災地復興意欲を同時化させる【地産外商】型のビジネスフローを構築した。

  2. クレジット(環境価値)の生成を商品購買(経済価値)に変換させ、『被災地の復興支援とCO2削減の同時化』をカーボン・オフセットスキームの活用により具現化した。

  3. 奥会津の桐タンスの高品位且つ精緻な伝統的な加工技術と多摩美術大学のプロダクトデザイン力のコラボレーションにより制作され、埋もれたままだった地域資源を発掘し、環境商品として再価値化することで、【地産外商型】の三島町(奥会津エリア)の地域ブランド商品へと昇華させ、消費者や事業者等の共感性とローカルエリアの地域価値に着目するきっかけを創出する仕組みを構築した。

  4. NHKのTV番組『龍馬伝』による坂本龍馬人気とシンクロナイズする形で、仇敵であった喜多方市(会津エリア)と高知県(土佐)が新・環境同盟を締結し、東日本大震災の復興の礎となる事業を共創するというストーリーを構築し、実際に高知県、津野町(高知県)、喜多方市の協力のもと、高知県側の福島県企画調整部長、仮設住宅の建設業者、福島県建設業組合への表敬訪問も実現し、その模様も広く新聞、経済誌等で取り上げて頂けるようなプロジェクトの発信方法を開発した。






CO-Net事務局

toiawase


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