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第1回カーボン・オフセット大賞エントリー事例
渋谷新文化街区プロジェクト新築工事における現場事務所のCO2排出量のゼロ化

応募団体:東急建設株式会社

1.応募する活動の名称・タイトル
建設現場におけるカーボン・オフセット導入
~ 渋谷新文化街区プロジェクト新築工事における現場事務所のCO2排出量のゼロ化 ~



2.活動の概要
<オフセットの分類>
自己活動オフセット

<排出量の事前認識・・算定>
 渋谷新文化街区プロジェクト新築工事の概要を下表に示す。建築業協会(現:日本建設業連合会)のH19年度の調査結果(延床面積あたりのCO2排出量:26.4kg-CO2/m2)によると、本工事で約3,800 t-CO2のCO2排出量が推定できる。

<オフセット対象範囲・・バウンダリ>
 工事全体のCO2排出量をゼロ化することが困難であるため、対象範囲を「今後、建物の引渡しまで(2010.10~2012.3)に現場事務所で消費するエネルギー(電気・ガス・水)から発生するCO2排出量」に限定した。この算出には2010年8月分のエネルギー実績データをもとに18ヶ月分を推定し、全部で94t-CO2をゼロ化することを目標とした。なお、CO2原単位は東京都環境局排出量検証ガイドラインを用いた。
 次項に示す排出削減努力により25t-CO2のCO2排出量を削減できるため、残りの64 t-CO2をオフセット対象とした。


<排出削減努力の実施>
オフセットの実施前に以下の取組みを行い、自らでCO2排出量を削減した。詳細は「3.CO2排出削減努力とカーボン・オフセット」の内容に示す。
1)外部足場への太陽光発電パネルの設置
2)仮設外灯のLED照明
3)CO2排出権付き廃棄物運搬
4)グリーン電力の利用
※3),4)については、実質的にカーボン・オフセットに分類されるが、説明の分かりやすさを勘案して削減努力に含めた。

<取組の実施期間>
取組を開始した2010年10月1日から、建物が竣工する2012年3月31日まで

<クレジットの種類>
京都クレジット(CER)

<プロジェクト名称>
インド・ラジャスタン州14.8MW風力発電プロジェクト プロジェクト番号0243

<無効化に関する状況>
2010年11月10日償却

<情報サイト>
自社サイト内ニュース&トピックス;渋谷新文化街区PJにおける現場事務所のCO2排出量ゼロ化

3.CO2排出削減努力とカーボン・オフセットの内容
 工事現場で実施するCO2排出削減努力項目の選定には、当社で開発した『環境技術提案システム』を活用した。このシステムは、過去に採用されたCO2削減技術を含めて61項目が整理されており、その建物に適用したときの概算CO2削減量とコストが同時に表示される。これより、その工事現場に最適な環境技術を検討し、効率的な環境配慮施工を実現できる。
『環境技術提案システム』により、CO2排出削減努力項目として、以下を選定した。

1)外部足場への太陽光発電パネルの設置
 太陽光発電パネルを外部足場西面に設置し、外灯や現場内の工事電源に利用する。その正面の仮囲いには、発電量を表示する電光パネルと説明看板を設置することで、削減努力の「見える化」を行う。本取組みにより、約60kg-CO2のCO2排出量を削減できる。但し、工事の都合で設置期間が短縮されたため、実際は30kg-CO2のCO2排出量削減となった。

2)仮設外灯のLED照明
 仮設外灯に設置されている蛍光灯の一部にLED照明を採用することで、使用電力を約45%削減する。本取組みにより、約30kg-CO2のCO2排出量を削減できる。

3)CO2排出権付き廃棄物運搬
 カーボン・オフセット付き廃棄物運搬の契約を行うことで、廃棄物の運搬に掛かるCO2排出量を1kmあたり0.482 kg-CO2低減する。本取組みにより、約17t-CO2のCO2排出量を削減できる。

4)グリーン電力の利用
 今後、現場事務所で使用する電力の10%を、自然エネルギー発電所(国内)の発電時に生まれたグリーン電力を利用することで、電気使用によるCO2排出量を低減する。本取組みにより、約8.8t-CO2のCO2排出量を削減できる。


 以上の排出削減努力により25t-CO2のCO2排出量を削減でき、残りの削減しきれない分(94-25=69t-CO2)について、カーボン・オフセットを実施する。
 工事現場でカーボン・オフセットを実施するには、CO2算定が専門的なことやプロバイダー契約などの煩雑な手続きなど様々な問題があったが、当社ではカーボン・オフセットを取りまとめる担当部署を設置して対応した。担当部署では、基本契約やCO2排出量の算定、初期手続きなどを行う。このカーボンオフセット体制により、工事現場でも容易にカーボン・オフセットを導入することができた。

4.CO2排出削減以外の効果
 CO2排出削減以外の効果としては、環境に対する啓蒙活動に繋がったことが大きいといえる。今回は工事現場で実施し、説明看板等も掲示したため、作業所員のみならず工事現場で働く人々や近隣住民にも広く啓蒙活動ができたといえる。

5.普及啓発の効果
 本取組みについてはプレス発表を行い、社外に公開した。業界紙数社に取り上げられ、工事現場でもカーボン・オフセットが可能であることが市民や社会に対して認知されたといえる。
また、当社が主催する「環境発表会」にて社外関係者に発表した。ここではカーボン・オフセット自体についても詳しく解説し、本プロジェクトだけでなくカーボン・オフセットの認知度も向上させたといえる。
さらに6.で詳しく示すが、当社では本プロジェクトの手法を『カーボンニュートラル施工』として確立させた。工事現場だけではCO2排出量をゼロ化することは非常に困難であるが、オフサイトを活用することで実現可能であることを発注者に広く提案している。

6.ストーリー性

 当社では本プロジェクトの手法を『カーボンニュートラル施工』として確立させた。カーボンニュートラル施工とは、先述した『環境技術提案システム』を活用による効率的な環境配慮施工を実現した上で、本プロジェクトで確立したカーボン・オフセット体制により工事全体のCO2排出量をゼロ化するものである。
 今後は費用対効果やオンサイトとオフサイトを上手く使い分けたCO2削減を実践し、カーボン・オフセットを上手く活用していくことで、カーボンニュートラル施工のみならずカーボンマイナス施工を実現したいと考えている。






CO-Net事務局

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