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CO-Net会員による震災復興活動
釜石地方森林組合の現在の様子 農山村支援センター

配信日 2011年7月11日

一路、釜石へ 
Image 平成23年6月30日、釜石地方森林組合を訪ねた。震災後、何度か電話では話をしたものの、実際に現地に足を踏み入れていない。現場の雰囲気、感触を肌で感じてみなければという想いと、直接顔を合わせて話をしたいという想い。そして、大変な時だが仕事をお願いしなければならない事情。それが森林組合のためになるのかという一抹の不安。いろんな想いがあったが、行ってみなければわからない。

 当日は、とても良い天気に恵まれた、というよりは、とても暑い日だった。盛岡からレンタカーを借り、高速で移動。東和、遠野を経由して現地に入った。途中の売店などで3.11の時の状況を聞いたが、内陸はほとんど影響はなかったとのこと。本当に沿岸部だけに大きな被害をもたらしたことを、改めて感じた。本当にここで震災があったのかと錯覚するかのような天候だった。

 森林組合へは何を持っていこう・・・手ぶらというのも何だし。前日、周囲に聞いてみたが、そろそろ嗜好品がいいのではないかというアドバイス。嗜好品・・・たばこの銘柄がわからないから酒だな、と単純な発想で途中買い込んだ。

 すれ違う車はレンタカーが多い。ボランティア活動をされている方々、復興のための手伝いに来られている方々だろう。後から関係者と話をした際に、レンタカーが借りられない状況なのによく借りることができたねとのこと。

 そういえば、レンタカー店では先週購入したばかりの車ですと言われ、追加でたくさんの車を導入したのだと気づく。
盛岡からおよそ3時間。途中の峠道の道幅は狭かったものの、思ったよりスムーズに釜石地方森林組合の仮設事務所まで到着した。
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写真:仮設事務所の入り口

仮設事務所の様子
仮設事務所はこれまでの中心部から離れた、鵜住居町の一角。元々貯木場として利用していた場所に建てられている。

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写真:仮設事務所前景

 当日は6名の職員の方々が作業に追われていた。新組合長の下、参事ほか経理担当など。これまでの事務所よりは狭いものの、明るく前向きに仕事をされていて、一安心。

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写真:仮設事務所内の様子

 ただ、まだ避難所生活、仮設住宅での生活を余儀なくされている方や、組合員の方でも亡くなられたり未だ行方不明の方がいらっしゃるとのこと。これまで通りの生活には、まだしばらくは戻れそうにない感じがした。

森林組合の現在の状況 ほか
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写真:かつての森林組合があった場所 今はがれきの集積場となっていた。

 参事に色々話を伺った。がれきの撤去作業に森林組合の林業機械が、ある意味活躍しているが、これも当分続きそうだとのこと。この先1年くらいは2台の機械をオペレータ付で作業にあたることになるようだ。はじめはボランティアでやるしかないかとの覚悟もあったようだが、そこは費用が出るとのことで安心した様子。
 森林整備のほうも徐々に戻りつつあり、丸太の需要が増えているそうだ。仮設住宅が建ったものの、冬場をしのげるほどの断熱性があるとは言い難く、それをカバーするために板で何重にも覆う案が出ているのとのこと。どういう形であれ、森林組合へ丸太の注文があることは喜ばしい。
 また、釜石地方森林組合は、これまで森林所有者を取りまとめ、施業を効率的に実施してきた。その際、作業道を森林内に開設してきたことが、震災の時に役立ったとのこと。津波の際の避難に役に立ったという。平地が少なく海のそばに山がある地形であるため、こうした森林整備を地道にやってきたことが幸いにも役だった。これからの復興計画の中にも、作業道と避難経路の動線計画が一体となって盛り込まれることが期待される。
 釜石地方森林組合が取り組んでいる活動に、新日鐵釜石の火力発電所への木質バイオマス供給がある。こちらも発電所が被災したため、一時ストップしていたが、6月20日頃から林地残材の納入を始めており、新聞でも7月1日から本格稼働ということが記事になっていた。こちらに向けた木材の供給も、スタートしている。徐々にではあるが、以前の活動に戻りつつあるところもでてきている。

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写真:稼働前日の発電所の様子

釜石J-VERの話と今後の協力依頼
 最後になったが、肝心なJ-VERの話。
 震災後、事務所喪失、組合長他職員の死去など、通常業務ができているとは言えない。未だインターネットがつながらず、通信手段も限られた中で、どうにか支援する手立てはないかと考えた。J-VERは震災に全く関係なく、管理口座に残っている。幸いにも4,000t近いJ-VERの発行を行い、ほとんどが手つかずの状態で残っていた。これを何とか資金に変えられないか。CO-NETの委員会の場でそのお願いをさせていただいた。

 厚かましくも、通常の取引よりも高い金額設定で、被災した森林組合への支援分を上乗せする形でのお願いをしました。CO-NETの委員会の会場からは、そうした金額設定に対して一部、批判的な意見もあった。しかしながら、J-VER発行後すぐに一度取引させていただいたキヤノンマーケティングジャパン様をはじめ、三菱UFJリース様、リサイクルワン様、エコノス様の寛大なご理解のもと、7月6日現在、合計約1,600tのご購入・検討をしていただいております。釜石地方森林組合にかわりまして厚く御礼申し上げます。

 こうしたJ-VER収入があることで、これからの森林組合の復興だけでなく、特に被災された森林所有者の森林を間伐する際の費用(自己負担しなければならない費用)を賄うことができるようになりました。それが何より助かると、組合長や参事がおっしゃっておりました。

 皆様の協力なしには、今後も、継続した森林整備を続けることができなかったと思われます。引き続き、被災地支援へご理解いただけるようでしたら、是非とも釜石地方森林組合のJ-VER購入を検討いただければ幸いです。

Image写真:佐々木組合長(左)と高橋参事(右)


報告者
東京農業大学 農山村支援センター
今野知樹
〒156-8502 東京都世田谷区桜丘1-1-1
TEL:03-5477-2678、FAX:03-5477-2609
konno_tomoki@nousanson.jp






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